釣り堀

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虹ヶ咲2期2話『重なる色』感想 - 虹ヶ咲は自由のアニメ?

 みなさんいかがお過ごしでしょうか?僕はワクチン接種をして、さっきまで頭ガンガン体温アチアチで辛い思いをしていました。今はこうしてPCを開いて文章を書けるくらいマシになったので感想文を書いているわけです。今を逃したら今週は3話までタイミングがないので…。

 

 タイトルに虹ヶ咲2期2話の感想と銘打ったものの、今回は少しアニメからずれた内容になります。

 

前回の↓

ro-puru.hatenablog.com


1. 虹ヶ咲は自由のアニメ?

 アニメの本筋からズレてしまうと思うんですけど、2期2話を見ていて「やっぱり虹ヶ咲は自由のアニメだな~」なんて考えていました。ただ、それは条件付きの自由なのかな~と。条件がかけられているために、見る人間によっては2期2話が虹ヶ咲の思想の押し付けに感じてしまったり、今回の内容に引っかかりを覚える原因になっているのかなと推察しています。

 その条件とは「人は本来の姿で在らなければならない」になります。平たく言うと「本当の自分をさらけ出せ」。つまり…「あなたが本当にやりたいことをやるならば、アニガサキは自由であることを保証するよ」、みたいなニュアンスの話だったのかもしれないって読み方です。

 

 はっきり言ってしまうとランジュを"しつこく"同好会に誘ってみるエマを筆頭としたQU4RTZの面々ですが、絶対にランジュが加入することを望んでいるわけではないです。彼女たちが望んでいるのは、ランジュが抱く自分の気持ちを包み隠さない姿を表に出してほしいということ。その上で、同好会に加わるかどうかはランジュに委ねるというスタンスです。

 ランジュが本当の自分を出していないがために、彼女の本心を引き出そうと"強制力"が働いているのです。上に書いたことと対応させるなら、ランジュにソロ活動をする自由を保証していない。これが「思想の押し付け」に見えたんじゃないかな~って想像してます。いや、本心を隠すなっていう割りと強めの押し付けで間違いないのですが…。しかし、こういった条件付きで自由を認めるアニメってことを理解すれば、「じゃあこのアニメは自分向きじゃなかったんだな」とさっぱり割り切れると思うので結構重要じゃないかなと思います。

 

 僕はこの押しつけに肯定的なんですよね。じゃなきゃ、アニガサキのこと好きになることがないので当たり前ですが。やっぱり人が一番幸せになれるのって、自分が心からやりたいことをやってるときだと思っています。その「やりたいこと」が自分を隠すようなネガティブなものじゃなくて、100%ポジティブな、自分以外の要素を鑑みず純粋に自分が楽しめることをやっているときだと思うんです。アニガサキはそういう完全にポジティブなやりたい気持ちを引き出して、それを叶えるだけの自由な地盤を用意してくれるアニメです*1

 

 再度の確認ですが、このアニメは完全な自由を謳っているわけではありません。このアニメが持つ思想に従って人間が幸せな方向に向かえるような自由さ。それは、①自分を隠さず②他人に迷惑をかけない中での自由。こういった条件をかけてしまっている以上、反りが合わない人間が出てくるのは必然ですよね。っていう話でした。

 

2. この話が持つ説得力について

 僕がアニメに求める重要な要素の一つが説得力です。2期2話はこの説得力についても考えさせられる話だったんじゃないかなって思います。というのも、そこに疑問を抱いているフォロワーがいまして。言われてみればそうかも~なんて僕も思ったので、そこに答えられるような理由付けを行いたいってのが以下の文章の目的です。たぶんそのフォロワーはこの文章を読まないけれど、これは僕がアニガサキについて考えを巡らせるいいきっかけだと思ったので。

 

2.1 話の主導権を握るエマ

 率直に、今回の話を引っ張るのはエマ以外にいないのでは?って思いました。 1. で書いたその人の本心を引っ張り出すような"強制力"、これを無理なく行使できるのがエマしかいないのかもって話です。

 

 2期2話で、エマはランジュを同好会に誘い、また公園のシーンではランジュの本心を暴くような決心をします。同好会に誘う行為、これは現在ランジュが突き進んでいる道(同好会に属さない形のソロアイドル)を矯正し、曲げさせることに繋がるのでかなり危うい行動なんですよね*2

 これをエマに任せたのはエマのキャラクター性が根拠になると思います。1期5話で果林を同好会に誘ったり、果林の本心を暴こうとしたり、彼女がそういうキャラクター――強い言い方をすればそれが彼女の「やりたいこと」に含まれると既に1期で示せていたからこそ、今回のような危険な役回りをこなすことができたと考えています。言ってしまえばエゴですからね。一緒にスクールアイドルをやりたいっていう、他人の道を矯正させかねないエゴを出しても許されるだけの地盤を持っていたのがエマだった。

 そして重要なのが「無理に同好会に入ってほしいわけじゃないんだ」のセリフ。これがなかったら大変なことになっていましたね。1期2話の再現です*3。もしランジュが心の底から同好会に入ることを望んでいないのなら、それはしょうがないねってスタンスの表明なので、エマのエゴを出しつつランジュの自由を認める発言になるわけです。

 で、ランジュの本心を暴こうとする決心は、これそのものがアニガサキの思想と一致しているものなので危険な行為ではないです。ただ、やはり1期5話を想起させる展開なので、ここにエマをあてがったのは話の流れに妥当性を持たせることができたんじゃないかなって感じます。

 

2.2 エマに同調するQU4RTZ

 ランジュは本心を隠している、とエマが察するのには1期5話を見た僕らにとってそこまで不思議に感じる事柄ではないと思います。そういうのに敏感なのかな~とか、うまく補完できる部分なので。ただ、他の3人がそう思ったのはなぜなんでしょう?理由を推測すると

①ランジュのライブを見て違和感があった
②ランジュの姿がスクフェスの理念と対立しているため
③ランジュの言動に矛盾を感じた

あたりでしょうか。

 

 まず①、アニガサキにおいてライブは自己実現の場とか、自分を表現する場と位置づけられています。ランジュが本心を隠したままライブをすれば、そこに歪みが生じ、観客であった同好会に違和感を与える可能性が考えられますね。また、僕ら目線であればMVや歌詞を見ることで「なにかありそう」なのは明らかで、そこを劇中人物たちが汲めていればランジュが嘘をついていると推測できそうです。

 

 次に②。スクフェスを見てランジュは虹ヶ咲学園までやってきましたが、その姿はファンと共にあるスクフェスと対立します。そこに違和感を感じたという線。配信でどこまでスクフェスの様子を切り取られていたかっていう問題もありますが*4

 

 堅いのは③ですかね。僕自身も言語化できるわけじゃないですが、ランジュに夢中になるファンを見るのが好きな彼女がファンの支えをいらないとするのは、何となく変な感じがします。論理的な矛盾はないんですが、なんというか、なんというかな違和感です!QU4RTZもこんな程度の確信具合なのかもしれませんね。

 あと、頑なに同好会を拒むのも変な感じです。同好会は好きにスクールアイドルをやっていい場で、入ったからといってファンと目線の高さを合わせることを強要していないはずです。なぜそこまで拒絶するのか、まあ何かバックグラウンドがあるんだろうなっていう。初めは同好会に入るつもりで来たはずなのにね。

 

 なんともフワフワした話で申し訳ないですが、これらが3話ないしその後の話で明らかになるのが楽しみですね。

 

3. おわりに

 彼方ちゃんの可愛い系・おじさん系の発言が可愛かったとか、アイスが溶けるからカロリー0なエマちゃんとか、滑り台を滑る璃奈ちゃんとか、ワンダーランドを築けたかすみんとか、萌え豚的にも色々あった2話でした。

 ユニットをあまりやってほしくなかったのが本音ですが、やっぱり納得させられる形でお出しされちゃいましたね。正直今回のQU4RTZはかなり熱かったです。A・ZU・NAとDiverDivaがどうなるんだろ~って緊張ですね。

 相変わらず音楽科で難儀する侑ちゃんとか、新しく文化祭について言及があったりとか、縦軸の話についてもどんどん種まきが行われていますね。予想をしようとすると何でも言えすぎて収集つかないので今回はやめておきますが。

 

 また、前回の記事で言及したランジュとファンの距離感についても早ければ来週には扱われそうなので楽しみです。

 依然としてバックグラウンドが明らかにならないランジュですが、どうしても自由にやりたい姿勢や、ファンの支えを求めない姿の理由について早く知りたいですね。今のところ、周囲からの期待っていう檻に閉じ込められてきた彼女がやりたいことをやって観客を満足させる(認めさせる)ことで彼女自身を証明したいのかな、ぐらいに考えていますが。

 いずれにせよ、まだまだこのアニメを楽しんでいきましょ~って感じです。

 

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 さすがにここの画作りがよすぎた

*1:ただし、他人に迷惑をかけることは許されていません。この考えは、アニメ本体からではなく、オフィシャルブックから引用していて少しズルいのですが

*2:同好会に属さない自由をアニガサキは否定していないので、そこに反する

*3:同好会に入りたくないランジュと、同好会に入ってほしいエマの衝突になる

*4:ステージ上だけだったのか、ファンと楽しんでるところまで配信されていたのか