釣り堀

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虹ヶ咲2期7話『夢の記憶』感想 - やっぱり大事なのは満足できるか

 忙しくなってきて感想文を書く時間を捻出するにも苦労しています。今週も金曜の夜にせこせこと書き始めて…もうちょっと余裕をもってやっていきたいです。

 2期7話についてですが、作品として新しい概念は恐らく登場せず、これまでのエピソードで同好会が手にしたロジックを使って栞子ちゃんを攻略する話でした。最後のひと押しは薫子さんだったわけですが、その一言が重かった。

 

前回の↓

ro-puru.hatenablog.com


1. 適性も自分を中心にして決めていい

 これは僕の思想です。2期3話の感想文にも書いた、「自分の価値は自分で決める」とかなり近く、繋がったものです。これは僕の見たいアニガサキに違いないのですが、やりたいこそが適性をそう受け取りました。

 

 今回の話では大きく2つの適性が出てきました。1つは栞子の言う「できる(skill?)」、もう1つは果林の言う「やりたい(want)」

 栞子は「向いていることに全力を尽くす」ことこそが良いことだと言いました。これは、自分の外部から与えられた評価軸の上でプラスになれる能力を備えているか否かが判断の基準になります。分かりやすいのは点数が出るテスト。赤点を取ってしまえば適性がなく、逆に高得点であれば適性があると言っている。つまり、適性の有無は常に自分の外に用意された指標によって測られる。ラブライブなんかは顕著な例で、基準に従ってスクールアイドルを点数化し、その高低で順位付けを行う。そして、点数の低い者は適性がないと判断されてしまう。

 対する「やりたい」を適性と捉える捉え方は、評価軸を自分の中に置いています。この評価軸は自分が満足できるかどうかを測るもので、達成能力の存在に注目していません。出来るかどうかというのも結局、他者がいて成り立つ相対評価で、自分中心に考えるときには発生し得ないとまで言わずとも希薄な概念になるはずです。こちらの考えでは己が楽しめて、満足できれば適性があると言え、その能力については言及していないのです。

補足:とはいえ、自分の出来ることを突き詰め、周囲から称賛されることによって得られる満足感もあります。というか現実的にはこちらの満足感を得ることの方が多いでしょう。だから栞子はこちらの道を選択していた。

 

2. 後悔したくない

 栞子の言う適性が云々の話は実のところ、後悔したくない・傷つきたくない願いが中心にあります。それは栞子の言うように誰だってそうでしょう。傷つきたくないから、上の補足で書いたような道を栞子は進んできた。他人から低い点数をつきつけられて、お前には結果を出せないと示されたら誰でも傷つきます。また、捧げてきた時間にそんな評価を下されるのは悲しいです。

 だけれど、やりたい気持ちを我慢することだって後悔するはずです。スクールアイドルは今しかできない、瞬きの間を生きる存在です。高校生である現在を逃せばその後悔を拭う機会は二度とやってこない。だから今始めることにも大きな意味がある。

 当人の能力なんて関係なく、自分のやりたいことをやり、束の間でも満足感を得ようとする姿勢は刹那主義を感じさせます。虹ヶ咲の優しさは、こんな刹那主義の生き方でも必ず報われると言ってくれることです。1期13話歩夢の「はじめてよかった」に始まり、今回の薫子さんの口から出た「後悔なんてしてない」。芽生えた衝動に従うまま突き進んだら、きっと良い未来が待っているんです。そう言ってくれるアニガサキが好きです。

 

 「後悔なんてしてない」は動き始めた者たちへの最大限の保障だと思います。すごーく感覚的な話をすると「はじめてよかった」の最上級の言葉。衝動に従った結果、1期13話の歩夢は「はじめてよかった」と言ったけれど、同好会に属する彼女たちはいつの日か「後悔なんてしてない」と、やってよかったとやりたいことに全力を尽くした高校生活を懐かしむはずです。

 今やりたいことをやることへの不安の解消的な意味を担う薫子さんの発言は、とても大きな意味を持っていると感じました。

 

3. おわりに

 1.も2.も、まだまだ書くことも書きたいこともあったと思う。でも、今もう疲れすぎて書くことが全く思い浮かばないし、文章も組み立てられなくてダメです。2期7話は上で挙げた話題以外にも触れるべきところはたくさんあると思うし、毎週感想を書いてきてようやく綻びが出たって感じですね。でも出ない記事より出る記事です。

 次の話はなんか重そうだし、コンディションを整えて後悔するような記事を残したくないですね。

 

 本当に顔と髪の毛の造形が好みな姉妹です