釣り堀

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「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」第1部をクリアしたので感想

 年始あたりにアニメに関する事柄についてはYahoo!ブログとは別の場所に文章を残しておくためはてなブログを開設していたのを忘れていました。

 思い出したついでに、マギレコの第1部のストーリーを読み終え自分の中で盛り上がっていたので、ちょうどいいと思い初めての記事を書くことにした次第です。

(実ははてなブログ開設から現在までにYahoo!ブログの閉鎖が決定しているので記事のコンバートが可能になる7月にはあちらの記事をこちらに移すことになります。なので、このブログではアニメ以外の日記も書いていくことになると思われます。)

  さて、実はマギレコの感想は既にTwitterでポツポツと書いてあるんですよね。そちらを引っ張ってきながらつらつらと書いていく形式にしましょうか。 

  本文では文章中の表現が紛らわしくなるのを避けるため、『外伝』であるマギレコに対して鹿目まどかが主人公を務めたまどマギ本編を『本伝』と言い換えています。

 

 マギレコのネタバレをバシバシとしていくので、未プレイの方の閲覧をおすすめしません。この作品は2019年にアニメ化が決定しており、僕の拙い文章でストーリーの概要を知ってしまうなんてもったいないこと、絶対にしてほしくないです。

 また、批評でもなんでもなく完全に感想であって、100%称賛するだけの内容になっていることを先に述べておきます。

 

 


ストーリー感想

1~9章

 まずストーリー全体への言及です。書いてある通り、通しで見た流れはとても満足いくものでした。

 4章のミザリーウォーターまでは可もなく不可もなく、平凡なストーリーといった程度でつまらなくもなく面白いというわけではない、毒にも薬にもならないような物語が展開されていました。このあたりからマギウスの影がちらつき始めマギレコの本筋にあたるストーリーが展開し始めます。確か2019年の10月ぐらいに配信されていたと思いますが、OPのワクワク感を加味して今後に期待とツイートした覚えがありますね。

 

 そして5章、ひとりぼっちの最果ても特にこれといった感想があるわけではないのですが、さなの友人として彼女を開放してあげたいけれど、己のウワサとしての性質には逆らえないアイとやむを得ず戦闘に至る終盤で、切なげなBGMの中でアイと戦うのは胸を打たれるものがありました。

 

 次に6章。ここからマギレコのストーリーが一気に加速し始めます。

 記憶ミュージアムで、魔法少女のその先に待ち受ける運命をマギウスによって打ち明けられました。この時が里見灯花ちゃんの初登場でしたよね。同時に、今でもたまに語られるいろはちゃんの屈強な後ろ姿を見られたシーンでもあります。

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例の背中

 本伝でも8話のラストで判明したまどマギの根幹を成す魔法少女と魔女の関係についての設定。マギレコでもこれが重要な要素として扱われることが何気に嬉しかったですね。(他の外伝をほとんど知らないので結構新鮮でした。)これについては10章ラストの感想でも語りたいと思います。

 

 それから7章8章9章と物語は進み、徐々にマギウスの目的が明らかになっていきます。割と淡々と話が進んでいったように感じましたが、読んでいて飽きるということもなく普通に面白いストーリーとして楽しめました。6~9章がアニメでどのようなテンポで進んでいくかが僕の個人的評価に繋がっていくと思われます。

 


 10章

10章前半

 そして10章です。僕が今ここまで燃えているのも全て10章のせいですね。6~9章も面白く、暇があればマギレコを起動し読み進めていたのですが、やっぱり最終盤の10章。全ての種明かしが行われ僕は完全に引き込まれてしまいました。

 いろはちゃんとマギウスの記憶に齟齬が生じている理由、そして本当はマギウスが何をしたかったのか。

 ういちゃんと、灯花ちゃんと、ねむちゃん。この3人がいろはちゃんの為に魔法少女になり、その願いを使ったと知った時に思い出したのは「なのはA's」です。ヴォルケンリッターの4人がどのような手を使ってでもはやてちゃんを助けると決意したシーン、あそこを思い出しました。マギレコの3人に関しては、当初誰にも迷惑をかけることなくむしろ魔法少女全体の救いに繋がる願いだったのが若干の違いですが、敵の行動の動機が元を辿れば誰かを助ける為ってのは個人的に大好きなところです。

 小5,6あたりの可愛い女の子3人が可愛い女子中学生の為に動くっていう絵面がもうずるいところがありますよね。こんなん好きになるなって方が無理ですよ。

 それと、キュゥべえの持つ機能を3分割し各々でその役割を果たすっていうやり方は素直に面白かったです。もしこのやり方が成功すれば魔法少女は魔女化という運命から解き放たれ、インキュベーターと良好な可能性を築ける可能性があるのも希望あるものでですし。鹿目まどかとは別のアプローチで近い着地点に行こうとしてますからね。違いは1人1人が持つ魔法少女としてのポテンシャル(背負い込んだ因果の量)。鹿目まどかが1人で成し遂げたことを3人で分けることで足りない分を補い合い達成しようとしたのです。結果だけを言えば失敗に終わってしまい、マギウスが敵として立ちはだかる要因になってしまったのですが。

 1つ言うことがあるとすれば、記憶を取り戻した直後の灯花ちゃんが葛藤も何もなくすぐさま対イヴ戦線に参加してきたことですかね。「ちょっとサラッとしすぎだろ!」って思いましたけど、そんな感傷に浸っているような場合でもなかったですから灯花ちゃんの瞬時の判断力が光ったとも取れますね。

 その後、後悔についてはユメミルサクラでしっかりと描写されましたので安心しました。 

 

 ここも色んな方がネットの至るところに残した感想ですが、これは本当にしょうがないです。神浜の魔法少女が協力しあいワルプルギスの夜に立ち向かったと表現するにはこうするしかなかった。これはこのタイプのノベルゲームでは致し方ないのです。目を瞑りましょう、むしろ全員分をしっかりと描いたことを評価していきたいです。

 


10章ラスト

 これです、これ。マギウスの過去描写の時点で限界までブチ上がっていたテンションがここで限界を超え感情を抑えきれなくなり体が反応してしまいました。

  円環の理と化した鹿目まどかが見つけた、改変後の世界だというのに魔女が存在しワルプルギスの夜の撃退にも成功した不思議な世界のレコード。これがマギアレコードの魔法少女まどか☆マギカ世界における立ち位置。ずっと気になっていたことが最後の最後に明言されたわけです。

  この宣言には大きな意味があります。

 まどマギ本伝を最後まで見ていれば判明している事実ですが、魔女のいる世界というのは、いずれ鹿目まどかの願いが引き起こす世界改変によって無くなるものです。外伝でどんな物語を展開していたとしても、魔女が登場する限りいずれは改変の波に飲まれ無かったことにされてしまうのです。本伝の鹿目まどかの発言によりどのような並行世界が存在しても不思議ではないので外伝が非常に作りやすいまどマギですが、このような弊害も同時に存在しています。

 しかし、最後のシーンによりマギレコの舞台は改変後でも存在する1つの宇宙としてあることが判明しました。つまり、既に改変が行われた世界で存在しているので彼女達の歩んできた歴史が改変により無かったことになる心配がないのです。魔女を出しつつ、世界が改変され彼女たちの物語が無意味なものになることを回避しています。(叛逆で円環の理の機能の一部を奪った暁美ほむらに破壊されないという保証はないですが、鹿目まどか暁美ほむらと幸せを掴んだ世界を無意味に破壊するとも思えないので大丈夫だと僕は勝手に思っています。)

 あらゆるコンテンツの外伝というものは、ifの世界を描いたものが少なくなく、マギレコもその例に漏れずまどマギの設定を流用しただけの全く独立した世界の話だと思っていたものが、綺麗に本伝と同化したのです。(上でも書いた通り、まどマギにおいてif世界とは円環の理として鹿目まどかが観測できる世界を指せるのですが、この場合のifとはもっと高次元な視点から見た、本伝から完全に独立した世界のことを示しています。紛らわしくて申し訳ないです。)

 この「本伝が無ければ存在できない物語」であることを実感したのはここだけではなく、上に書いた魔女の設定の部分です。この設定を外伝でも物語の主軸に据えることでまどマギらしさがより一層引き立つのです。

 マギレコでみんなが悩み葛藤し、努力して得た日常は虚無として消え去るのではなく、確かにまどマギ世界に存在し続けるわけです。マギウスの願いや神浜の魔法少女達の営みは虚構となって消え去らずに残り続けるので、物語の外側というメタ的な視点で見ても完全に納得できるものとなっています。正に『外伝』です。僕が求めていたアンサーが最後に出てきたものですからめちゃくちゃに泣いてしまってもしょうがないですよね。あと単純にEDの曲と映像がよかったですし。特に最後のみかづき荘メンバーの後ろ姿で、もうどうにかなってしまいそうでした。本伝オマージュをここでやられるとはもはや反則技です。(この記事も「余白のほんね」を聴きながら書いています。)

 ですから僕の中で「マギアレコード」は「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」になることができました。マギレコは本伝があったからこそ存在できた世界であって、決してこれ単体で成立するものではありません。本伝に全力で寄りかかってできた素晴らしい『外伝』です。もう文句がないです、あるわけがありません。

 

 長らく放置してストーリーをずっと読んでない期間とかもありましたけど、完結してすぐに読んで良かった。本当に。こんなに素晴らしい外伝を提供してくれた方々には感謝しかありません。記事を書いている最中だと言うのに感情が無際限に溢れ出てきます。

 もはや本伝の続編が絶望的な状況、既に期待してる人間がほとんど絶滅した今になって用意されたこのマギレコというストーリー、感激です。このコンテンツのファンでい続けてよかった、心の底からそう思えるものでした。本当に本当にありがとうござました。

 


ユメミルサクラ

 LastMagiaの終了後に開始したイベント「ユメミルサクラ」。メインストーリーに深く関わったもので、EDのすぐ後の話を描いています。既にちょくちょく触れていますが、灯花ちゃんとねむちゃんの贖罪のお話です。

 正直、これを読まないと1部を終えたとは言えません。これを含めて1部でした。

 ユメミルサクラのおかげで残ったモヤモヤは解決されますし、灯花ちゃんへの高感度も上がります。

 これからどう2部に移行していくのか気になりますね。

 


 BGMについて

 次にBGMです。マギレコオリジナルのものは梶浦さんが作曲しているわけではなく別の方々が作っているのですが、どれもこれも良曲揃いでサントラの発売当日には待ちきれずCDショップへと走って行きました。印象に残るというだけの曲ではなく、曲そのものがいいものでしたし、マギレコ独自の世界を展開するには十分な力を持ったものだったと感じました。

 ですが、それだけではなくしっかりと本伝BGMも使われています。ストーリー選択画面や戦闘曲だけではなくストーリー本編で使われると「今まどマギを見てるんだなー」という気分になります。10章に入ってから本伝BGMが多くなった気がして、改めてこれを感じました。過去回想の時の3人がキュゥべえと契約するシーンで「Sis puella Magica!」が流れ始めると「まどマギだ!!!これはまどマギだ!!!」ってプレイヤーのほとんどが思ったことだと推測出来ます。

 マギレコはこういった要素が本伝とかなり近くなっているので没入感も段違いですよね。シャフトのアニメーション、イヌカレーさんの作る魔女・ウワサ空間、蒼樹うめ先生がデザインしたキャクター達。話だけは虚淵さんのものではないですが、外伝なので仕方ないです。(結果は大満足なので文句の出ようが無いですが。)

 


キャラクター

 キャラクターについてです。

 ツイートの通りこのような遍歴を経て最終的には里見灯花ちゃんに行き着いたわけですが、この子はもう本当にいい子でしたね。その長い髪の毛を何時間でも触っていたいです。

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里見灯花

 いろはちゃんのために自らも魔法少女になれてしまう精神が特に気に入りました。他人のために願いを使うのはさやかちゃんとの共通項でもありますね。問題の根本的な解決法を先に用意出来ていたとはいえ、ここまでの自己犠牲の精神を持った子を好きにならないはずがないです。

 ユメミルサクラでも散々見ることが出来ましたけど、灯花ちゃんはマギウスだった時の悪行を文字通り死ぬほど後悔、責任を感じています。たとえ大切な人を守るために起こってしまったことでも、自分の罪はしっかりと償おうとする子です。年齢の割に達観しすぎているところがとてもグッドでした。灯花ちゃんのこういうところが好きなんです、きっと。

 さらに、いろはちゃんに対しては「おねーさま」という呼び方をしているところを見ると、僕に対して「おにーさま」と言ってくれる可能性も無きにしもあらず、興奮します。病院院長の娘のお嬢様ということもあり言葉遣いは全体的に丁寧なのですが、ところどころ年相応のワガママさが出ていてよかったです。

 あと蒼樹うめ先生が描いた灯花ちゃんのイラストのタレ目がどうしようもなく好きなんですよね。こんなにおっとりしてそうな顔をしているのに、マギウスの時はめっちゃきつい性格だったギャップに萌えたり、はしなかったんですけど。

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私服が好み

 灯花ちゃんの私服、これなんていうジャンル名があるのか分からないんですけど、こういった服をキャラクターが着ているのが好きです。人類は衰退しましたのわたしちゃんなんかもこんな風の服を着ていましたよね。ぜひとも灯花ちゃんには服装の趣向を変化させず大学生まで成長してほしいです。大学生になった灯花ちゃん、いったいどんな髪型になっているのか非常に気になりますね。

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OPの登場シーン

 ここから見て取れる幼さもまた可愛さがひとしお。アニメーションになっているからより良く見えてるってこともあるでしょう。アニメのキャラデザもいいですよね、マギレコのTVアニメに期待です。

 そして灯花ちゃんは宇宙物理学に大変関心があるようです。かくいう僕も高校2年生の時に放課後のプレアデスを見てからというものの宇宙や星に対して興味が湧き、今では大学で天文系のサークルに所属しています。いわゆる天才で既に宇宙物理学を修めている灯花ちゃんに色々な事を教わってみたいものです。

 

 夏場の外は蒸しかえるような暑さの中、僕たちは居間でクーラーに浴びながら勉強。そんな午前中に憧れてしまいます。午後は一緒に出かけて近くの市営プールで水浴びでもしたいですね。暗くなる前に家に帰ってきて灯花ちゃんが僕の家で夕食を食べるのです。灯花ちゃんの両親は多忙な身、なかなか娘と一緒に夕食を食べる時間を確保できません。でも灯花ちゃんは寂しくないんです。僕の家に入り浸り家族との団らんを楽しみめるんですから。日によってはそのままお泊りなんてことも珍しくありません。こうなってくるともう灯花ちゃんは僕の妹のようなものです。

 寒い冬の季節には家族用の大きなこたつに一緒に入って足をくすぐり合いたい。映画やアニメを見て、中身の無い会話を交わしダラダラと無意味な時間を過ごしていたいです。そうしたら昼頃から雪が降り始めるんです。かなり強い勢いなので、これは積もるぞと期待に胸を踊らせつつ、午後はどこかに出かけるかーと僕が車を出しドライブに行くわけです。道を走っても街路樹の葉は既に落ち、暖かい春が来るのをひたすら待っているのみの寂しい風景が続いています。3時間ほどぶらぶらと回った後に帰路に着こうとすると道路にうっすらと雪が積もり始めていました。家に到着する頃には、雪を手ですくい小さな雪玉が作れる程度に雪が積もっていて、明日は雪合戦をしようねと約束をし家に入っていくのです。

 冬の寒さと春の暖かさが交互にくるような4月上旬。僕と灯花ちゃんが住む街にもとうとう春が来ました。桜の開花です。僕は灯花ちゃんとその友達、そしてその友達のお姉さん達とお花見に行く約束をします。当日、雲一つない快晴。太陽は白く輝き春の陽気は眠気を誘います。絶好のお花見日より。僕は車にブルーシートと食べ物を詰め、助手席には灯花ちゃん、後ろに3人を乗せ公園へと向かうのです。

 近所に住むこの子のことはずっと世話を見てきた小さな女の子としか見ていませんでした。ですが今年12歳ともなってくるともう半分立派な女性です。僕からすると恋愛対象でも普通にあり得る年齢なんです。ああ、灯花ちゃん、僕は今20歳。今月には21歳になってしまうよ。9歳差。でも安心していいんだよ、僕の両親だって10歳の差があって結婚したんだから。だから心配しないで、僕は君が16歳になるその日まで待つから。そうしたら結婚しよう。なに、今までとは変わらないよ、だってずっと一緒に過ごしてきただろう?それからは二人だけの生活が始まるだけなんだ……。

 


さいごに

 ともまあ感情をそのまま文字に起こしてみたわけですが、やはり言いたいことはまどマギを好きでい続けて、マギレコをプレイしてよかったということです。

 ネットには色々な感想があり、人それぞれ感じることがあったと思います。その中でも僕は、この作品に対して感動し、感謝し、楽しんだファンの1人であるというわけです。

 今年はマギレコのアニメの放送も開始されます。おそらく2クールになると思っているのですが実際のところはまだ分かりません。ですが、この素晴らしい作品がアニメになることでよりたくさんの人に見てもらいたいと思っています。マギレコを追うほどではないけれど、まどマギが好きだった人達には絶対に見てもらいたいです。面白く感じたか、つまらなかったか、既存キャラの扱いに怒りを覚えたか、レコードのシーンで腑に落ちなかったか、はたまた僕と同じように感動したか、様々な感想がネットに溢れ返ると思われます。僕が感じられなかった印象を、抱けなかった疑問を、湧かなかった感情をたくさん見せてほしいです。アニメ化は動く彼女達を見られる機会であると同時に、様々な人の目に触れる機会。僕のTwitterのTLがどのようになるのかが今から楽しみです。