職人に、なるんだ！

　今日は久しぶりに学校へ行った。家で何か作業をできない人間なので入構規制が緩和されていくのは嬉しい。少しすれば自粛期間に戻りたいと嘆くようになるのが容易に想像できるが…。

　今日学校へ行くことで6月半ばにして初めて研究室らしいことをした。まず、一番最初に試料の作り方を先輩から教えてもらう。試料というか、試料を実験装置に入れるための容器の作り方だろうか。ガスバーナーで石英管を加熱し変形させていくのだが、これが何も知らないで見るとさながらガラス職人の工房のようなのだ。まるでガラス細工を作っているかのような、そんな風景だ。とうとう私も職人になる日が来たか…とアルテと自分を重ねて一人興奮していた。

　先輩から一通り作業を教えてもらい、私も自分の手で石英管を変形させてみる。作業の内容は石英管を少しずつ伸ばしていき切断するというものだ。このとき、切断した箇所を丸めて試験管の端のような形にしたいのだが、綺麗に切断しようとすると中々難しい。ねじりや、先細りのさせ方に偏りが生じれば見た目が悪くなってしまう。たぶん実用的な面でも問題が出てくるのだと思う。中学校の頃の体験学習を思い出しながら帰りの時間まで作業をしていた。

　学校が終わると入試の書類を郵便局に持っていき、そこからスーパーへ行く。今週いっぱいはもう来なくて済むよう適当に野菜や肉をカートに放り投げる。メニューはその時の私が考えてくれるだろう。

　夏になると漬物が食べたくなる。例年は浅漬けのもとやキムチのもとを買ってきゅうりや大根を漬けて食べていた。今年は少し趣向を変えてピクルスにすることにした。パプリカやにんじん、大根にきゅうりと私の中にあるピクルス像と一致する野菜を選んでいく。心配なのはにんじんをピクルス酢に漬けるだけで美味しくなるのかだ。生のにんじんは固くて土臭いイメージがあり、酢に漬けた程度で本当に食べられるようになるのか分からない。今夜もう少し遅い時間になったら食べ始める予定なので楽しみだ。